バイオディーゼル

バイオディーゼルと食用油

バイオ燃料・バイオディーゼル3バイオ燃料「バイオディーゼル」が注目されているのは、繰り返し利用して汚れた食用油であっても、精製すればディーゼル燃料として役立つからでしょう。ディーゼルエンジンが発明された当時は、軽油を使っていたのではなく、ピーナツ油から作られたバイオ燃料が使われていました。


化石燃料の広がりとともに、食用油を用いたディーゼル燃料は廃れていきますが、環境に優しいバイオ燃料として注目を集めています。

バイオ燃料・バイオディーゼル1
とくに欧州諸国ではディーゼル車に力を入れていて、ほとんどのディーゼル車がバイオ燃料100%の使用を保証していますし、バイオディーゼル燃料を扱うスタンドが増えているほか、税金の面でも優遇されるため、今後もますます増えて行くでしょう。


▼化石燃料・・・石炭や石油、天然ガスなど、プランクトンや樹木などが長い年月をかけ変成してできた有機物燃料のこと。



バイオディーゼルの作り方(不純物除去と中和)

バイオ燃料・バイオディーゼル作り方1廃食油のリサイクルして注目されている、バイオ燃料「バイオディーゼル」の作り方の手順を、簡単にご説明します。

まず、最初に行うのは不純物の除去です。(油の中にある)余分なゴミを濾過(ろか)します。また、揚げ物や天ぷらで使っていた廃食油には、水分が多く含まれているため、熱して取り除かなくてはいけません。熱するときに化石燃料を使っていては、エコとは言いづらいのですが、簡略化した説明なのでご了承ください。

バイオ燃料・バイオディーゼル作り方2
※ちなみに、廃食油に含まれる水分が多いとバイオディーゼルではなく、石けんができます。

水分除去が済んだなら、アルカリ性の触媒を使って、廃食油の中にある遊離脂肪酸を中和します。新しい植物油なら遊離脂肪酸はあまり含まれていませんが、料理に使った廃食油には多く含まれているため丁寧に中和しないと、バイオディーゼル燃料の製造を邪魔してしまうそうです。



バイオ燃料とバイオディーゼル

バイオ燃料・バイオディーゼル2バイオディーゼル燃料とは、バイオエタノールなどと同じく、植物(生命体:バイオマス)を原料にして作られる、ディーゼルエンジン用の燃料のことをいいます。

実は、国内でも自治体が中心となって研究を進め、バスなどでバイオディーゼル燃料が利用されています、ご存知でしたか?
バイオ燃料・バイオディーゼル1
バイオディーゼルの原料は、家庭から出る廃食油で、化学変化を利用して成分を変え、精製して作られています。日本では、ディーゼルエンジンで走る自動車が、公害の元として嫌われていますよね。しかし、国内で使われなくなったディーゼル車が海外に輸出され、バイオディーゼル燃料で走るクリーンな自動車として喜ばれているそうです。

ディーゼルエンジンから排気される"スス問題"は、バイオディーゼル燃料を使えば、解決できることになりますね。



バイオディーゼルとメチルエステル

バイオ燃料・バイオディーゼル4メチルエステルは、植物油とメチルアルコールから作られたバイオディーゼル燃料です。

バイオディーゼルの中でも、最も多く利用されている燃料が、メチルエステルです。

メチルエステルは、ドロドロの植物油から、燃料となるエステル(脂肪酸)を分離させる物質に、メチルアルコールを利用しています。つまり、メチルアルコールとエステルの化合物だからメチルエステルで、エステルから切り離されたグリセリンを除去すれば、バイオディーゼルとして利用できるのです。

ただし、市販品として販売されるときは、不純物を取り除き、見た目にも綺麗なバイオ燃料になります。また、家庭でもメチルエステルを作ることができるようですが、法整備が行われていないため自動車で利用しない方が良いでしょう。



バイオディーゼルの作り方(化学反応と分離)

バイオ燃料・バイオディーゼル作り方3クリーンな燃料として注目されている、バイオ燃料「バイオディーゼル」の作り方手順を、簡単にご説明します。

「化学反応と分離」の行程から行う作業は、中和した廃食油でも、新しい植物油でも同じです。料理や食品として利用できる植物油をバイオディーゼルに作り替えるのは問題だと思いますが、知識として覚えておいても損はありません。

バイオ燃料・バイオディーゼル作り方4
まずは、メチルアルコールに苛性ソーダ(NaOH)を混ぜますが、苛性ソーダ(NaOH)は水分を吸収しやすいため注意が必要です。水分が多いとバイオディーゼルではなく、石けんができてしまいます。また、メチルアルコールに苛性ソーダを混ぜると化学反応が起こり発熱しますし、化学変化でできた「ナトリウムメトキサイド」はアルカリ性の強い薬品なので皮膚触れるととても危険です。

最後の行程では、メチルアルコールと苛性ソーダの混合液(ナトリウムメトキサイド)を、不純物のない中性の廃食油(植物油)を混合して良くかき混ぜます。55℃~60℃に保ったまま1時間ほど待つとバイオディーゼルができますが、分離されたグリセリンを濾過しやすいように半日ほど置いておくと完成です。



バイオディーゼルと利用方法

バイオ燃料・バイオディーゼル利用法1バイオディーゼルは、最も多く利用されているバイオ燃料ですが、比較的少ないコストで作れるため、ヨーロッパやアメリカなどでは実用段階に入っているそうです。また、日本では家庭や飲食店で廃棄される植物油を回収し、バイオディーゼルとして再利用する方法が開発されています。

バイオディーゼルは、軽油と完全に置き換えて利用することもできますが、軽油と混合して利用することもあります。


バイオ燃料・バイオディーゼル利用法2
実はバイオディーゼルにも欠点があり、春先や夏場などの暖かい時期なら問題ありませんが、寒い時期には固まってしまったり、ディーゼルエンジンには問題なくても燃料をエンジンに送るゴムチューブなどが傷んでしまうことがあるようです。そのようなことから、海外では自分でバイオディーゼルを軽油と混合して使っている人もいるそうです。

しかし、日本では自動車側の対策が済んでないため、混合しない方が良いでしょう。ちなみに法律上の規制はなく、混合した分のバイオディーゼルに1リッター32円の税金が掛かるのみのようです。



バイオディーゼルと環境面のメリット

バイオ燃料・バイオディーゼル環境面のメリットバイオ燃料「バイオディーゼル」が、環境面に与えるメリットは、素晴らしいものがたくさんあります。十分ご承知だと思いますが、環境対してどのようなメリットがあるのかまとめておきましょう。


・バイオディーゼル燃料は、植物から作られるため、大気中の二酸化炭素を新たに増やさない。
・バイオディーゼル燃料の毒性は低く、生物に分解されやすい構造を持つため、環境に優しい。
・バイオディーゼル燃料を使った自動車は、環境汚染となるススを出さないし、匂いで気分が悪くならない。
・バイオディーゼル燃料は、廃食油を原料にして作ることができるため地球に優しいリサイクル燃料です。
・バイオディーゼル燃料は、エンジンを改造することなく利用できるため、新たな資源を必要としない。



バイオディーゼルと自動車利用のメリット

バイオ燃料・バイオディーゼル自動車利用のメリットバイオ燃料「バイオディーゼル」は、環境への負担を減らすだけでなく、自動車に対しても良い影響を与えると言われています。バイオディーゼルを、自動車で利用したときのメリットについて、まとめておきます。


・バイオディーゼル燃料を利用したときの排気ガスは、軽油より最高で75%も綺麗になると言われている。
・バイオディーゼル燃料は、排気ガス中の一酸化炭素や不燃炭化水素、ススを減少させる。
・バイオディーゼル燃料の排気ガスはがスモッグの原因となる未燃炭化水素の総排出量を約68%削減する。
・バイオディーゼル燃料を利用するエンジンは、タイミング調整で窒素酸化物の排出を抑えることができる。
・バイオディーゼル燃料は軽油と混合することができ、わずかな量でも有毒物質の排出を押さえる。
・バイオディーゼル燃料は潤滑性にもすぐれていて、滑らかな稼働はエンジンの寿命を延ばしてくれる。



バイオディーゼルと潤滑性能

バイオ燃料・バイオディーゼル潤滑性能エンジンをスムーズに動かすことのできるバイオ燃料「バイオディーゼル」は、自動車愛好家からも期待されている燃料です。


バイオディーゼル燃料は、化石燃料である軽油よりも粘度が高く、エンジンに対する潤滑性能が優れています。

バイオ燃料・バイオディーゼル潤滑性能2
2サイクルエンジンは、ガソリンと同時に潤滑オイルを注入して、エンジンの潤滑を高めていましたが、バイオディーゼル燃料は燃料自体が潤滑性能を持っているため、燃焼と潤滑を同時に行うことができるのです。
ただし、バイオディーゼル燃料の粘度は、冬季の寒い時期に固まりやすいと言う欠点も持っています。メリットだけではないことも覚えておきましょう。

しかし、軽油と混合して利用すれば、潤滑性を高め、寒い時期にも固まらない燃料になることも覚えておきましょう。



バイオディーゼルと発ガン物質

バイオ燃料・バイオディーゼル発がん性物質バイオ燃料「バイオディーゼル」は、化石燃料の軽油を利用したときに比べ、発ガン物質の排出を大幅に抑えてくれると言われています。


ディーゼルエンジンから排出される真っ黒なススは、環境汚染や喘息、肺ガンの原因になるため、規制の対象になっていることは、みなさんご存知かと思います。

バイオ燃料・バイオディーゼル発がん性物質2
軽油を利用してトラックが1km走ると1グラムのススが出ます。100Km走ると100グラム、1万台のトラックなら、1トンのススが出でいることになるのです。しかし、バイオディーゼル燃料を利用すれば、ススはほとんど発生しません。


また、軽油の排気ガスには発がん性が高いと言われている芳香族炭化水素(PAH)も含まれていますが、バイオディーゼルなら1/20程度に抑えることができます。

多くの人が利用する幹線道路に発ガン物質があると考えれば、規制の対象になることも致し方ないと思いますが、バイオディーゼル燃料の利用が進めば規制せずとも発ガン物質の発生を抑えてくれますね。



バイオディーゼルの原料

バイオ燃料・バイオディーゼルの原料バイオ燃料「バイオディーゼル」の原料として廃食油に注目が集まっていますが、一般家庭で破棄される量は限られていますし、飲食店であってもトラック1台分を、まかなえるかどうか判りません。バイオディーゼル燃料が多く利用されている欧州では菜種油(ナタネアブラ)を原料にしているようです。

バイオ燃料・バイオディーゼルの原料2
菜種は、油菜とも呼ばれますが、春先に黄色い花を咲かせる菜の花も同じアブラナ属の植物です。本来なら菜種油は食用には適しませんが、品種改良が進み「キャノーラ油」などの名称で利用されています。また、北米や南米では大豆油、東南アジア地域では、ココナッツ油やパーム油が使われています。


食料品を燃料として利用することには、賛否両論あるようですが、現代社会では必須と言える自動車の利用を制限することもできず、地球環境を守る必要もあるため、燃料用途で植物を栽培することも必要かもしれません。



バイオディーゼルのデメリット

バイオ燃料・バイオディーゼルのデメリットバイオ燃料「バイオディーゼル」は、地球に優しく人体への影響もない、優れた燃料ですが、いくつかの欠点が報告されています。バイオディーゼル燃料のデメリットとなる事柄についてもまとめておきます。


・バイオディーゼル燃料を利用するとメーカー保証を受けられなくなることがある。
・バイオディーゼル燃料に不純物が含まれていると、燃料フィルターが詰まりやすくなる。
・バイオディーゼル燃料は、水と結びつきやすく給油中はとくに注意する必要があるほか湿度の影響も心配。
・バイオディーゼル燃料は、天然ゴムを腐食させるためフッ素ゴムなど耐性の強い部品に変える必要がある。
・バイオディーゼル燃料を寒い地域や冬季に利用すると、固まってしまうことがある。
・バイオディーゼル燃料がボディの塗装に付着すると、塗料がはげてしまうことがある。